夏の水蒸気の流れです。水蒸気は相対湿度ではなく絶対湿度の高いほうから低いほうに流れます。夏は屋外から室内に向かって流れると考えてよいと思います。室内を除湿しないで冷房だけすると、湿度が高い不快な環境になります。
日本の夏は高温多湿なので、夏の結露はかえって外断熱で生じやすくなります。屋外と室内の湿度を同一とし、冷房をした場合(室内の相対湿度は上昇する)の想定で結露計算をしてみましたが、ハイパール工法では内部結露は発生しませんでした。断熱材に独立気泡で透湿抵抗の大きなものを用いているからと思います。
コンクリートの外断熱は、冬の結露に対しては非常に有利ですが、夏の結露に対しては、建物の使用状況によって不利になることがあります。外断熱をした場合の室内の仕上げ材料は、温度変化のしやすい材料を用いておくのがよいと思います。
相対湿度:一般的に湿度と呼ばれているのはこの相対湿度のことです。飽和状態に対して何%の水蒸気の体積が含まれているかを表しています。最大限の水蒸気を含んでいる飽和状態は温度によって変化します。
絶対湿度:乾燥空気1kgに含まれる水蒸気の量を表します。温度が変化しても絶対湿度は変わりません。