ロンドンの高層マンション火災を受け、8月下旬にDFパネル等の複合パネル17体、成形断熱材1体の燃焼試(実)験を2日間に亘って行いました。
DFパネルは、裏面に複数の凹凸部を備えた薄厚の押出成形セメント板の、凸部を断熱材の接着面とし凹部を通気層としたパネルです。したがって通気層は左右連続していません。
また、成形セメント板は、セメント板の冷却効果、湿気の均一な排出、現場での組み立て作業性から、当社独自の形状としています。
ハイパール工法の当初物件で通気層内の風速を計測し、換気量を算出しました(風力は0~1の無風状態)。湿気の排出に必要な風速は十分に確保され、換気量が少ないことから、断熱材が燃焼しても酸欠となり断熱材の自己消火性もあって、火は消し止められることは開発時から予測しておりました。
上下のDFパネルの接続部となる変成シリコーン系シーリングの横目地部は、829℃の火炎照射で通気層上部の最高温度は72.4℃であり、DFパネルのどこからも炎は発生しませんでした。
また、断熱層の燃焼溶融部の長さは60㎝、その他の部位は変化がなく、セメント板の表面温度は42.3℃と、通気層による外装材の冷却効果と、煙の排気によって湿気排出効果の確認ができました。