賃貸マンションの管理を担当していると、本当に様々なことが起こります。「喧嘩・雷・火事・親父」はもとより、新聞の社会面に記事となるようなことは、10年もするとほとんど経験します。自殺、殺人、麻薬、夜逃げ、破産、暴力団等々枚挙にいとまがありません。賃貸マンションという一つの箱の中で、複数の、複雑なドラマが営まれています。
建築的には給排水工事が多く、例えば給水ポンプの故障が発生すると50戸、60戸の入居者から一斉にクレームが入ってきます。生活のリズムが変わるせいなのか、意地悪なことに夏季、冬季の休暇中が多いようです。機器の経年変化は別にしても給排水工事のクレームは頻発します。建築技術者の皆さん、設備の人にパイプスペースを広くしてあげる、また工程をきちんと見るようにしてください。
建築は、「結露と音」を除けば一般的なことばかりですが、無理した仕事は数年過ぎると、確実にクレームとして返ってきます。あとからクレームを見ると、「工期が無かったのかなぁ」「監督さんの勉強不足」「協力業者さんへの指導力が足りなかった」「図面通りの世界」「予算が無かった」等々、色々と経験することができます。
当社は、建築の技術者、設計者、賃貸マンション管理者が同居していますので、役員から見る技術者の評価と、管理側から見る評価とは大きな隔たりがあり、案外、管理側の方が正しかったりするかもしれません。技術者の皆さん、大変でしょうが建物を作る以外にも、あなたを見ている目がありますよ。それは次のお客様だったりして……。