読書の秋、ということで今回は本の話をします。
最近はめっきり本を読むことも、開くこともなくなってしまいました。
良くも悪くも必要な情報があれば必要なところだけを探せますし、本を読む以外の娯楽も一緒になった携帯電話があるので中々本に手が伸びません。
リハビリがてらと思い、仕舞い込んでいた本を引っ張り出してきました。
『命売ります』は三島由紀夫の小説で、自殺に失敗してしまった主人公が新聞に「命売ります」と広告を出し、自分の命を売り捨てようとするところから物語が始まります。
ネタバレを避けるためにあまり詳しくは書けませんが、自殺の動機や終盤の主人公の様子から現代の生と死について描写されてるように感じます。
途中は(こんな言い方をすると失礼ですが)チープというか前振りだからか、かなりトントン拍子に疲れることなく読み進められます。終盤はバリバリにメッセージ性が出ていてスッと読める割に「本、読んだな~」という満足感があります。
読みやすさもあってオススメできる1冊です。
もう一冊画像に映っているのは小林秀雄の短編集なのですが、中でもこの新学社は旧仮名遣い(歴史的仮名遣い)のまま文章が載せられているところに価値があると思います。
本の読みやすさという点では現代仮名遣いのものの方がよいかと思いますが、当時の息遣いを感じられる気がしてこれにはこれの良さがあります。中身を読むだけであればいくつか短編集を買うことで同じ内容のものを読めると思います。
『様々なる意匠』『無常といふ事』『感想』など名作も多く個人的にはとても満足。わざわざ探して購入した甲斐がありました。
読むにはちょっと大変でカロリーを消費するので、オススメできるかと問われると怪しいですが・・・
筆者のメッセージや思想が乗っかった文章を読むことは、○○の"やり方"・"考え方"といった表面的な"方法論のテクニック"を学ぶのとは異なり、根っこの考え方から刺激を受けることができるのがよい点です。
食欲の秋で蓄えたカロリー、一緒に読書で消費しませんか?
それでは、また。
この記事を書いた人業務管理部 山下
業務管理部の山下です。 運動不足に拍車がかかり、ビビっています。 |