こんにちは。連日30度が続く暑い夏も終わり、秋になってきましたね！

今回は、「ゆたかな人生が始まるシンプルリスト」　ドミニック・ローホー著　をご紹介いたします。

この本を読むと、人生にいらないものを見極め、質の高い自分に出会うことができます。
著者はフランス人でソルボンヌ大学を卒業した後、アメリカやイギリスの大学、日本の仏教系大学で教鞭をとっていた人物です。日本の精神文化への理解が深く、現在は作家としてベストセラー「シンプルに生きる」を始め多くの本を書いています。

読者はこの本を通して、自分の「リスト」を書くことで、人生をシンプルにし、価値を高めることができます。「リスト」というと一般的に、したい事リストや、読書リスト、持ち物リストなど、機能的ですが、大事に保管しておく価値はないものと思われています。

しかし、著者は、時間に追われている現代人にとって、簡単で使いやすい「リスト」は、自分を知るツールに適していると考えています。人生を豊かにするテーマに沿って書かれた「リスト」を通して自分を知ることは、暮らしをコントロールし、時間を節約し、勘違いやストレスを防いでくれます。

私はこの本を通して、どのようなテーマで「リスト」を作れば自分を深く知ることができるのかを学び、テーマによって得られる効果が違うことに気づきました。
また、本の中には具体例として様々な人の「リスト」が出てきます。人によって何を大事にしているかは本当にそれぞれで、多様性に気づくきっかけとしても興味深かったです。

著者は本のあとがきに日本の読者向けてメッセージを書いています。すごく納得できる文章ですので、一部抜粋します。

～日々の暮らしの何気ない美しさ、その繊細で緻密な心配りに、みなさんは気づくことなく生活しています。もちろん、生まれたときからその美しさに囲まれていたのでは、気づかないのも当然のことです。けれども、私が書いたものから、西洋人の私の目を通して、みなさんに日本を再発見して頂きたいのです。生活美こそが日本人の心の豊かさの源泉なのです。いかに文明が進もうとも、日本のみなさんがそれを忘れずにいることを切に願っています～

住宅は生活の場であると共に住んでいる人の人生の一部でもあります。人生が豊かになる生活の場となるよう設計を心掛けたいと思う一冊でした。

	この記事を書いた人建築部 中野 ＲＣ造4階建アパートの企画設計を行っています。外断熱工法の建物を主体とし、冬でも暖かく快適な住環境の設計をしています。