7月21日の日曜日、札幌駅前通地下広場「ドオリHIROBA」にて、JIA日本建築家協会北海道支部との共同開催による環境型設計競技「JIA・テスクチャレンジ設計コンペ」の公開審査を開催いたしました。
第10回のテーマは
[ 課題文 ]
どれほど文明的な発展を遂げようとも、私たちの暮らしが自然と向き合い続けねばならぬ点は変えようがない。成長の代償としての地球温暖化は、身近な自然に急激な変容をもたらし、今や地震ばかりか様々な災害が北海道でさえ日常になっている。そうした時代に向き合いつつも、しなやかに笑顔で生き抜く暮らしとは果たしてどんなものだろう?相応しいと考える建築を提案して下さい。
記念すべき第10回のコンペということで、大きなテーマを掲げましたが、全国から80を超える作品を提出いただき、6月4日に一次審査を行いましたが、作品が多く、会場のテーブルに収まりきれないほどのボリュームになりました。
一次通過した選りすぐりの17作品は、公開二次審査のプレゼンテーションでさらに深く表現され、審査委員を始めとした会場にいる全員が興味深く話を聞いていたのが印象的です。
【応募全作品会場展示】
【会場席はほぼ満席】
【応募者たちの熱のこもったプレゼン】
【模型の持ち込みも多数あり】
三次審査通過作品は例年7~9ほどですが、11作品が選ばれるほど票が割れました。
ここからは沈黙していた審査員から怒涛の質問の嵐!
「ここの説明は〇〇だったけど、どうしてそうなるの?」や「勾配屋根で雪を貯めるのは良いが、もっと雪は積もるよ、どうしましょう?」、「シチュエーションはわかるけど、そこに住む人達がどう感じるの?」等など、応募者もタジタジになりそうな感じでしたが、負けじと説明をしてくる、このディスカッションが最高に良かったです。
【審査員からの質問に対応①】
【審査員からの質問に対応②】
【審査員からの質問に対応③】
白熱したディスカッションから、最終審査に入りましたが、同票が数回続き、最後の最後まで混戦しておりましたが、最優秀賞は「泉熱を纏う湖景」、優秀賞は「風迎室の家」・「紐づける余白」が選ばれました。
一昨年から応募対象を北海道内から全国に広げたことで、南は九州まで広く応募いただき、三次通過の11作品中8作品は道外大学院生という高度な競技となりました。環境系専攻の方も多く、環境シミュレーション解析によるご提案や、デザインから見出されるその暮らしかたや人の関わりまでをしっかりとご提案いただきました。
誰が選ばてもおかしくない状況ですが、その中で受賞できたみなさんは本当にスゴかったです。
【表彰式】
【受賞者との集合写真】
いつもはこれで終了ですが、昨年審査委員に駆け寄り、「なぜこれが良かったのか、悪かったのか」という質問をする応募者がかなりおりましたので、審査会場は撤収の作業があるため、新たな試みとして、別会場にて審査委員と応募者のコミュニケーションをとれる場を提供しました。
応募者から「また応募します!」・「後輩たちに絶対応募するように勧めますよ!」等、みなさん当コンペの大ファンになっていただきよかったです。
【応募者・審査委員のコミュニケーション】
JIAテスクコンペを開催するにあたり、多くの時間のご協力いただいております実行委員の皆様、そしてテーマ決めから全ての応募作品にコメント作成、審査までご尽力いただきました審査委員の皆様、そして応募いただきました皆様、本当にありがとうございました。
亡き創業者が次世代の建築家の育成を目的に立ち上げ、七回忌の年にこの第10回を盛会に終えることができました。
第一回から支えていただいた全ての皆様に感謝申し上げます。
公式Facebookページ https://www.facebook.com/Jiatesukucompe/